日本の風土に合った暮らし方Column
自然の力を見直し、理解し、住まいへ上手に取り入れてみる。
そんな風に自然の力を活かそうとする方法は、日本人が昔からごく普通にしてきたことです。
かつて日本の家は、その地方、風土に合わせてさまざまな表情を持っていました。
例えば、岐阜や富山などの豪雪地帯に見られる合掌造り。雪下ろしをしやすくするために、茅葺きの急勾配な屋根が生まれました。
また、強い風雨に見舞われる出雲地方の防風林は家々を囲うようにして植えられ、強い季節風をさえぎっています。
このように、かつての日本では、雨の降り方で屋根の勾配が形づくられ、日の差し方で庇の深さが決まり、風の吹き方で窓の位置を変えてきました。
自然を真ん中に置き、それを防いだり、活かしたりしながら、家のデザインがつくられてきたのです。
その土地の気候風土を活かし、暮らしの中で不足する部分は人工的な方法で補う、という考え方に賛同します。
かつての日本の家のつくり方や暮らし方の工夫を再認識するときが来ているのではないでしょうか。